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執筆者の写真ハウスエージェント株式会社

利息100円より54万円を選びたくなりますが・・・


長崎市の相続不動産買取会社ハウスエージェント(株)が配信している長崎市内に建築中の新築建売一戸建住宅情報・長崎市の建物リノベーション情報・長崎の不動産買取情報・長崎市で楽しんでいる無農薬家庭菜園・オフショアジギング・タイラバ情報のブログです。


長崎市では坂や階段があり車の横づけが出来ない所謂「階段古家物件」と呼ばれる不動産売買が難しい物件が多数存在します。

不便地であるがゆえに買い手がつかず、売主もタダでもいいから引き受けてくれる人や業者を探しています。

引き受け手がいないのなら建物を解体して更地にすればよいのではないかと言う考えもありますが、建物を解体するにも重機が使えない立地のため人海戦術で建物の大きさにもよりますが数百万円の費用がかかると想定されます。

仮に解体して更地にした場合は不便地であるがゆえに永久に引き受け手がない不動産となり、固定資産税を永遠に支払い続ける可能性が高いです。※相続放棄という手段もありますが、この場合は正の財産も負の財産も放棄しなければなりません。


このように引き受け手のいない「階段古家物件」の不動産を1万円~数十万円で購入してくれる買い手さん(再販業者さん含む)に売主さんは感謝するでしょう。※噂では引き取り料を数十万請求する業者さんもおられるようです。


安く購入した買い手さん(再販業者さん含む)は「階段古家物件」をリノベーションして賃借人をつけて収益物件として再販売しているようです。

この関係性を見ると「階段古家物件」の売り手さんは厄介な物件が手元から離れるので嬉しいですよね。「階段古家物件」を購入した買い手さん(再販売業者さん含む)は当然利益を乗せて再販売します。再販売先の購入者さん(サラリーマン大家さん含む)には家賃が入ってきますので売り手さん買い手さん(再販業者さん含む)と再販売先の買い手さん(サラリーマン大家さん含む)の関係はwin-winに見えますね。


本当にそうなのでしょうか。最終的に収益物件を購入した人に目先の家賃収入は発生しますが未来の家賃収入は未確定なわけです。

仮に物件を500万円で購入し家賃が4.5万円×12カ月=54万円

経費を入れない年表面利回りは54万円÷500万円=10.8%

ゆうちょ銀行の1年定期貯金の金利が0.002%

ゆうちょ銀行に500万円貯金しても1年の利息は100円※源泉分離課税は考慮していません


同じ500万円でも運用のやり方で利息100円か家賃54万円となります。

家賃収入は、利息の5,400倍になります。

凄い倍率差と金額差ですよね。

差額は539,900円もありますので魅力ありますよねー。惹かれます。

リターンだけ見ると飛びつきたくなる投資話です。

私なりに投資額500万円を運用したシミュレーションを下記のように出してみました。


シミュレーション1の場合

10年間家賃収入が続くと540万円の収入。

10年後に300万円で売り抜き切れると仮定すると340万円で利益確定です。

340万円を運用期間10年で割ると1年34万円で投資金額の500万円で割ると単年利6.8%となり投資信託の米国インデックス投資同等程度の利益が出たことになります。

※実際には仲介手数料やコンサル料に固定資産税・火災保険料・管理費等にメンテナンス費用が発生しますが今回は考慮せず概算です。


シミュレーション2の場合

20年間家賃収入が続くと1,080万円の収入。※家賃の変動は考慮していません

20年後に建物解体費用300万円

家賃収入1,080万円-購入金額500万円-解体費用300万円=280万円で利益確定

280万円を運用期間20年で割ると1年14万円で投資金額の500万円で割ると単年利2.8%となり日本国債より有利の様ですが運用期間が長すぎるのでイレギュラー様相が多分にあります。

※実際には仲介手数料やコンサル料に固定資産税・火災保険料・管理費等にメンテナンス費用が発生しますが今回は考慮せず概算です。


シミュレーション3の場合

5年間の家賃収入270万円。人口減少により5年以降は空家の状態。

購入後15年で建物解体費用300万円

家賃収入270万円-購入金額500万円-解体費用300万円=-530万円

マイナス金額が大きくて高すぎる授業料です

※実際には仲介手数料やコンサル料に固定資産税・火災保険料・管理費等にメンテナンス費用が発生しますが今回は考慮せず概算です。


私は悲観主義的な考え方もするので、どうしてもシミュレーション1・2のように楽観的に計算できないのです。

1年後の為替相場も読めない私に5年後や10年後ましてや20年後など読める訳ありませんし、そのように先が読める人がいるようであれば投資は負けなしとなりますが、タイムマシンーンでもなければまずありえないでしょう。

だから私は短期勝負の自社分譲住宅販売を生業にしている訳です。


去年、関東在住のあるサラリーマン投資家さん数人のグループと長崎市で面談する機会がありました。その時の会話の中で詰めが甘い考えだったので様々なことが起こり得ることを想定してシミュレーションしているのですかとお聞きすると目先のことを考えているにすぎないように感じてしまいました。

当然、出口戦略で物件を売り抜くと思うのですがその時はどうするのですかとお聞きすると「関東の不動産業者に頼み関東の投資家(サラリーマン投資家)に売ります。だって現地を見ると買いませんからね」と言われていました。

古家不動産投資はババ抜きですね。


皆さんの投資をして資産形成を加速化して早期にFIREしたいと言う考えは良いと思いますが、投資は自己責任ですから安物買いの銭失いにならないようにお気をつけください。

一度家賃収入を得だすと次から次に物件を欲しくなる傾向が強いようですが、将来のリスクを承知のうえで古家物件投資の扉を開けるようにしてください。

上手い話は人に教えないのが普通ですよ。

※私見であり、儲けが出るので売ればよいと考える不動産業者さんもおられますし、私のような考えの不動産業者もいるというだけのブログでした。




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